2020/06/10

【Car Guide】ビーワイディー 唐 タン EV600 BYD TANG EV600

BYD Tang EV600
ウェーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイ社が出資した事で有名になった、EVメーカーBYD。BYDのSUV型EVが、タンEV600です。(2019年訪問)




最新の電動SUV、唐(タン)EV600

BYD Tang EV600 2
ひと昔前のBYD車は、欧州車風にアルファベットと数字の組み合わせで車種名を表現していましたが、最近は漢字一文字と数字の組み合わせを採用しています。輸出する際にはそれを英語読みにして表記する仕組みです。

ちなみにBYDは電気バスなどの商用モデルを海外へと輸出していますが、そちらにはアルファベットと数字でモデル名を表記しています。例えば京都でも導入されているBYDの電気バスはK9と呼ばれます。


写真は”唐(タン)”と名付けられたSUVのEVモデルで、600の部分が航続距離を表すとのこと。つまり600kmの航続距離を目指したモデルです。

フロントデザインは龍(ドラゴン)を表現しているそうで、決してゴテゴテとしすぎずなかなか良いデザインです。あえて突っ込むとすれば、アウディー風だし、ヒュンダイ風でもあります。デザイナーの引き抜きが盛んなので、最後は似てしまうのでしょう。

またワックスを塗っているだけかもしれませんが、塗装面の色合いがとても綺麗です。ヨーロッパ車のような塗装の厚みを感じます。

残念ながら周囲からは『漢字のロゴだけが良く無い』という声も聞かれ、確かにこの部分はブランドロゴである『BYD』で統一しても良いと思われました。

”Build Your Dreams”

BYD Tang EV600 back design
後部を見てみると”Build Your Dreams”のロゴが光ります。お気づきと思いますが、頭文字をとるとBYD。

ボルボが先駆けだと思いますが、チェコのシュコダもリアだけはフルネームロゴに変更したので、世間のトレンドになっていると言えます。

ブレンボなどの高級スポーツ部品を惜しげもなく装着

BYD Tang EV600 Break
続いて足周り。タイヤはコンチネンタル、ブレーキキャリパーはオリジナルのロゴ入りブレンボで固められていました。日本で売られているEVは低燃費仕様ばかりですが、惜しげも無くスポーツ系の装備を採用する様に羨ましさを感じます。

見えない部分は、ほぼ全て中国製部品で構成されているのでしょうが、表の部分からは中国車というよりヨーロッパ車の雰囲気が漂い、かつてのコピー品イメージは皆無です。

一つ他国のブランドから劣っている事があるとすれば、自動運転技術が採用されていない事でしょう。EVとしての航続距離は十分に長くなっていますが、先を見据えるとオートパイロット系の装備は必須です。まだまだソフトウェア開発、技術の蓄積が追いついていないと考えられます。


BYDはほんの10年ほど前にはトヨタ・カローラのコピー品を造って儲けていた会社でした。道端にトヨタ純正車のエンブレムやバンパーを売っている店があって(もちろんそれもコピー品)、それに付け替えると完璧なカローラになったという逸話が残っています。

しかし10年経過した時点でコピーは皆無となり、オリジナルの車をデザインし製造し販売しています。進化のスピードを見ると、少し怖さすら感じるレベルです。


電池やEVの開発では有名だったので、以前からBYDには注目していましたが、まさかここまで成長してしまうとは思ってもいませんでした。米国のテスラも同じですが、自動車新興勢力の拡大がこのまま止まらなければ、本当に自動車業界に革命が起きると考えても良いのではないでしょうか。

おまけ:中国本土のカーディーラー

China Car dealer
日本であればカーディーラーはロードサイドに軒を連ねますが、中国ではショッピングモールのように複数のディーラーが、巨大なモータープール内に出店しています。日本ブランドはもちろん、リンカーンといった普段見る事の無いブランドも多数出店していました。

見渡す限りの車・車・車。地方のイオンモールの駐車場が全てカーディーラーになってしまったかのような様相です。





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