2010/09/10

【Car Review】トヨタ カムリ 北米仕様 TOYOTA CAMRY USA レビュー

toyota-camry-northamerica-8th トヨタカムリ8代目北米仕様
グアム島においてトヨタカムリ北米仕様車をレンタルする機会がありました。日本では少々お高いセダンとの印象が強いですが、トヨタアメリカの稼ぎ頭とも言える重要なポジションの車です。




トヨタカムリ 北米仕様 の基本スペック(レビュー車両)

  • パワートレイン:2400CC / 158PS
  • トランスミッション:5AT
  • 駆動方式:FF
  • 安全装備:エアバッグ ABS 4輪ディスクブレーキ
  • 販売価格:22,000USD


トヨタカムリの外装デザイン

第一印象は非常に大きい!の一言でした。レンタカー会社から”日本のセダンだ”と電話で予告されていたので、カローラかなと思っていたのです。ところが届くと、国内ではそこそこ上の年代の方が乗る”やや高級車”が登場。まさかグアムでこの車かと素直に驚きました。

如何にもトヨタらしい落ち着いたデザインで悪い印象はありません。むしろ角が無く、余計な装飾のないシンプルさが私は気に入りました。最近のレクサスに見られる押しの強い外装より、こちらの方がセンスが良いのではとも思います。

トヨタ車は番人受けを狙って面白味が無いとも言われがちですが、内装のしっかりした感じや、移動手段としての快適性の高さは他のメーカーに勝るところです。

昔中型セダンのコロナに良く乗せてもらっていた事があるのですが、内装の質感が高く、その後のベンチマークになっています。その後個人としては三菱車などに乗った事もあり、あまりの落差にトヨタの凄さを知った事もありました。

トヨタカムリの内装デザイン

toyota-camry-interior トヨタカムリ内装
早速運転席へと乗り込みます。カムリは日本でしたら200万円以上はする中堅セダンですから、そこそこの高級感があるものと思っていました。

ところが乗ってみると、いたって簡素。ウレタンのハンドルに、表面から安さが醸し出されているウインカー・ワイパーレバー。更にはマニュアルエアコン、内装のプラスチックは営業車のようです。

その割にエアコンの操作パネルやシフトレバー等はそこそこしっかりしていて、自動防眩ミラーと、その横に”方位計”が装着されています。

エンジンをかけるとデジタル文字盤が現れ、”N”や”S”といった方位が表示されます。確かにアメリカの道は方角で認識すれば大体の行先は分かりますから、ナビが無くてもこれで充分なのかもしれません。

トヨタカムリの運転フィーリング

toyota-camry-meter トヨタカムリメーター
初めての右車線ドライブですので若干緊張しておりましたが、走りだしてみるととても運転しやすいためか、あっという間に緊張が解けてしまいました。

2.4リッター&5ATの組み合わせが良く、とてもスムーズに加速していきます。エンジンの吹け上がりが良く、あっという間に制限速度まで上がっていくので快適そのものです。変速も素早く、妙なショックは一切ありません。

またブレーキが自然でとても良いと思いました。自分の足とブレーキが連動しているかのようで、思った通りに制御することが出来ます。四輪がしっかり道をつかんで減速していく事が良く分かります。

もちろんクルーズコントロールは標準装備。北米の広い道を長時間走る事が想定されているので、このような装備が無くては話になりません。

乗り心地もとても良いと思います。かなり荒れた道もあったのですが、振動は上手に抑え込まれ疲れることがありません。直線が多い北米がターゲットであれば、足回りを固めてコーナリング性能を狙う必要が無いのでしょう。

その反面何やら”ペラペラ”した感触がつきまとうのがこの車の弱点です。包まれた感じがせず、全体的に軽い感じがするのです。しっかりした車だと、鉄に包まれたような剛性の強さを感じるのですが、この車にはそれが皆無です。

トヨタカムリの総合評価

parkinglot 駐車場
短時間の運転ではありましたが、全く疲れを感じず非常に良い印象を持ちました。その反面日本でアピールされる中上級セダンの印象は全く無く、あくまで大型大衆車との感想を持ちました。

車の走る、止まるがしっかりと造られている反面、何故?と疑問を持ってしまうほど剛性を感じる事が出来ません。後年、タイでモデルチェンジ後のカムリに乗車した事もあるのですが、やはり剛性が無くフワフワとした乗り味で、スピードを出されると恐くて仰け反ってしまうほどでした。

剛性を少し上げるだけで、非常に良い仕上がりになりそうですが、その部分がトヨタとしては不要である、もしくは一番コストが掛かると認識しているのかもしれません。

良く言えば、飾ったところが無く、一切疲れる要因が無いからこそ日常生活で気楽に使えるのだと思います。だからこそ、北米では売上ナンバーワンのセダンになり続ける事が出来てきたのでしょう。

日本ではセダンが消滅しつつありますが、久しぶりに運転してみるとオーソドックスなセダン形状は運転しやすく、大変に快適でした。






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